天使からの手紙ーA Letter From An Angel

あけましておめでとうございます。お正月っぽくおすごしですが。

我が家の食卓は、ちょっとそれらしくないけれど、ダーリンがモロッコを思い出すハリラというスープを作り、私は今までパン派だったのに、どういうわけかなんにでも白いご飯を添えて食べている、という自由な形です。

3年前になりますでしょうか、同じコンドミニアム敷地内に住む80歳代のTさんという日本女性を通して、私はある女性と1度だけ逢いました。以前こちらに住んでいて、その後日本に帰り看護士として横浜で勤務しているということでしたが、残しておいた荷物の処理に帰ってきたと。彼女はそれはそれは心の優しい、けれど賢く、明るくてチャーミングな印象。まず、このTさんのことを気遣って、いろいろなお土産を持ってきたり、短い滞在で忙しいのにTさんの誘いに何度も足を運んで訪れたり。そして会う日本人にちょっとしたお土産としてあげれるようにと日本からのお菓子を用意していて、予定に入っていなかった初対面の私にまで抹茶のキットカット袋づめをくれたり。日本からは本当に多くの人から買い物を頼まれていて、中には重いカメラなんかもリストに入っていて、自分の買い物は全くできないのではないか、と思うぐらい。

 

いろいろなものを処分したいということで、いるものはないかと、その時まだカナダに来て間もなかった私に聞く彼女。うちも引っ越し前でなるべく物は増やさないようにしていたのですが、スノーシューというツールを2人分セットでもらうことに。すべてを売るのではなくて、ほしい人に与えているというその行為に、「そんな良いもの、ちょっとでも売ったらいいのに。」というと、必要な人がいて喜んで使ってくれるならそれでうれしい、というようなことを言っていた気がします。

スノーシューをもらった後、2017年の元旦まで一度も使ったことがなかったのですが、今年こそ、と思い、元旦にそれぞれセットになった袋を明けてみると、なんと、彼女の優しさが詰まっていました。そこにはさりげなくメモが入っていて「よかったらグローブもお使いください。」と雪用のグローブが男性用と女性用で添えてありした。アクティビティー用のグローブは、私もダーリンもほしいなあと思ってはいてもなんとなく後回しで結局持っていなかったため、これがなければ昨日は楽しめなかったはず。グローブこそ自分で持っていて損はないでしょうに、気前よく人にあげる彼女の気持ち。

 

スキーをするわけでもなく、何かと安上がりな遊びに徹する私たち二人にとって、このスノーシューは雪山を散歩できる、本当にありがたく長保するツールです。 

 

元旦はそれこそ天使からの手紙を発見した、という感じ。このような彼女の思いを無駄にすることにならなくてよかったのは言うまでもありません。

ものすごい親しいわけでもなく、義理を兼ねた付き合いだったわけでもなく、まして親戚でも家族でもない他人からの、ちょっとした行為が何よりも輝いていることがあります。

 

2017年、行きましょうか。

またすぐに。

 

Shizuko

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