時々雨ーChance of Rain

「移民や難民受け入れの緩和が本当に正しい選択か見直すべきだ。」「市民は移民が起こす問題ばかりで、移民は敵だ、といっている。」などと、しきりに今回のバスティーユデイに起きた暴動を機に、アメリカの右派の政治家、ジャーナリストたちがギラギラと力を入れて話します。

  

受け入れることが問題なのではなくて、受け入れようとしない心が問題につながっていると思いながらも、好き、嫌い、劣等感、優越感というのは人間なかなか超えられるものでもないだろう、と感じます。 私はどちらかというと保守的な考えが強い方ですが、アメリカの右派たちの軽薄な言動にはびっくりさせられています。 もともとISISの問題はブッシュ政権の時に起きたイラク戦争が大きな要因だというのに。

カナダとメキシコとアメリカのトップが集まって開かれた会議、通称Three Amigos Summitがカナダのオタワで行われたのは記憶に新しい話です。オバマ大統領が来る前に、カナダのトゥルード首相とメキシコのエンリケ・ペーニャ・ニエト大統領が先に会い、2国間での取引をかわして、メキシコでのビーフのマーケットを緩和してもらう代わりに、メキシコからくる市民へのビザウェイブを承諾。 

 

アメリカではメキシコの移民に関しては大きな問題で、国境付近の州では反対派の映像などをよく見ます。 そのくせ、NYのような大都市で思うのは、たとえ不法滞在、不法入国したメキシコ人たちでも、彼らの存在なしではもはやビジネスは継続できない、という現状。それに比べてカナダは離れているため、アメリカが直面しているメキシコとの問題は抱えていない、というのは大きいのでしょう。

あくまでも私の小さな体験からに他ならないけれど、NYで出会ったメキシコ人たちが私の知っているメキシコ人だったとすれば、カナダで会うメキシコ人はハイクラスの人々ということかな。 しかも、白人系、ヨーロピアン系。学生となればもちろんボンボン。たとえ住み込みベビーシッターで移住権を待っているという人でも、祖国ではMBAの学歴を持っている、というふうな。そうでないと、マーケットも狭く、規制もいろいろあり、物価は消して安くなく、一部の(本当の一部)大都市以外は断然車が必要になる、というカナダ社会では、生活が成り立たないということがあると思うのですが。しかしこのビザウェイブがきまって、多くのメキシコ人たちが簡単にカナダへ来るチャンスができたわけです。多くのカナディアンがメキシコへしょっちゅう行くように。

 

移民、難民は、23歳の幼児期に来たのならともかく、移住した後からが大変。誰もやりたくない仕事を外国人にやらせる、という例は日本にもあるけれど、ニューヨークなんかに比べれば日本もそしてカナダもまだまだ、どんな仕事もわりとその国民がやっているという風に見えるから、どんな仕事に就くにもなかなか大変だと思う。メンタルに病んでしまわない移民、難民のほうが少ないのではないかと思う。厳しいけれど恵まれた自然と広い国土を持つカナダはまだまだ可能性はいっぱいで、発展を望めばもっと変わっていく国だろうと思います。けれど、特に高齢者、特にここアルバータ州の方々は農家を営む方が多いせいもあってか、昔のままの何もない風景を残しておきたいと強く願っています。人の心の変化はゆっくり進むんでしょうね。

 

またすぐに。

 

Shizuko

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