あるワークショップー A Workshop

先週、ARBIというNGOの施設にて、aphasia(失語症)を持った方とどのようにコミュニケーションをするか、という内容のWorkshopに参加してきました。A~という語はいろいろありますが、Aがつくとwithoutの意味で、この場合だと、phasiaがラテン語でSpeechの意味。AがついてWithout Speechという意味になります。apneaはpneaが呼吸という意味でAがついてますから、「無呼吸」。久々ノートを開けて復讐でした・・・・。結構忘れています。

 

来学期は脳溢血とか、脳こうそくなどからくる症状を持った患者さんへのリハビリが入ってくるようなので、このワークショップもそうですが、その前の事前復讐はやるべきだわーと、待ち時間スターバックスでノートを開いていたのですが、下の写真を撮っている限り、集中していない、ですね。この後何とかノートにまとめて、時間になりいざ施設へ。

 

思ったより遠くて、ついたのはぎりぎりでした。 会場にはクラスメートが3人。そのほかは心理学を勉強している学生さんや、医療関係の学生さん、施設ですでにボランティアをしているという方々、ワイフが実際に脳こうそくになって、リハビリ中だという一見元ヘビメタロックアーティスト?に見えそうな男性、元地層学の教師でリタイア後ここでボランティアをしている方などなど、いろーんな顔ぶれで16人ぐらいの人々で集まりました。

内容はAphasia向けですが、ほかのいろいろな条件でのコミュニケーションに役立つこともできるだろうと、冒頭で講師の方が言ってました。そして、Aphasiaの患者さんは、考えていることや思っていることを文章にしてうまく言うことができない、または言葉として発することができない、読み書きに支障がある、というだけなので、"I know you know... 言いたいことをあなた自身が解っている、ということはわかっています。" ということを言ってあげる、またはそれを心得てコミュニケ―ションを取ることが一つ大事なことだと。

これは外国人とネイティブの人がコミュニケーションを取るときにも重要だなと改めて思い出します。ダーリンが姪っ子や家族にたまに言ったりすることで、同じようなことがあります。アメリカで学生をしていたころ、英語の下手な中国人がいたと。どうしてかと思うぐらいスピーキングがとても下手なその中国人でしたが、テストでは高得点を必ず取っていたそう。だから、話せない、話が分からないからといって、その人を見下してはいけないということですね。当たり前のことなのに、意識していないとリスペクトを忘れがちですね、コミュニケーション。

あとは、In, Out, Verifyという、聞いて、受け取って、もう一度確認するというようなやり取りや、心をオープンにしてあげるテクニックと正確な情報を得るためのテクニックの2種類があることなどを教えてくれました。私が普段足りないのは実にVerifyの部分だな、と自己分析。

初めのテクニックまたは能力をAcknowledge Competenceというそうですが、以前某スタジオに勤めていたとき、年に一回都心のクリニックにて身体検査があり、その時の医療専門家たちの素晴らしい何気ない言葉がけや声のトーンに感動していたのを覚えています。寝台に寝て何やらペタペタ張られてまな板の上の魚状態では、リラックスなどしずらいのが普通。そこをここまで優しく心地よく指示できるかーー!!と本当に感動していたんですけれどね。そして患者さんへの尊厳の態度はこちらに入ります。

 

後者はReveal Competenceと言って、ツールをつかったりしてなるべく正確な情報を得るための能力のことを言うのだそうです。地図、絵、文字、ペンや紙などが主に使われてました。

 

最近、歌手の西城秀樹さんが脳こうそくの後遺症のリハビリ中でありあがら、TVに出演するという光景を拝見しました。昔の日本なら、絶対にTVに出ない出さない、というのが普通だったと思うけれど、なかなか変わってきましたね。障害とは誰しもに起こることで、その障害を抱えながら生きる上での障害となっているのは、その人自身ではなく環境のほうが大きいという見方。障害を持たない者からの差別、理解あるコミュニティー、その人が以前とほぼ同じように生活できるように工夫された道具や施設改善。まだまだ学ばなくては、ですね。

 

よい日々を。

Shizuko

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